【不問:5】まおうさま

不問:5/時間目安60分


【題名】
まおうさま


* 本編に入る前に以下を必ずお読みください *

この台本は全キャラ性別不問(*1)、キャラクター名はご自身でつけていただく(*2)台本です

*1:性別不問なのでどなたがどのキャラクターを演じても大丈夫です。台本では、一人称は全て『私』を使わせていただいてます。ご自身の思い描くキャラクターに合わせて「俺」「僕」「あたし」等に一人称を変えてお楽しみください。(記載されている一人称以外でももちろん大丈夫です。)また、語尾についてもご自身のキャラクターに合わせて変更をお願いします。(一人称・語尾については台本の通りに読む必要はありません。)

*2:この台本ではキャラクター名を付けておりません。読み手様ご自身が自由に付けてお楽しみください。

*ここまで読んでくださりありがとうございます。なにか質問等ありましたら気軽に作者のTwitterDMなどにご連絡ください。*


【登場人物】
A:勇者
優しく、人を疑わない。敵でも話せばわかってくれると思ってる典型的な勇者タイプ。頼まれたら返事一つで引き受ける為、すぐ面倒事に巻き込まれる。
B:剣士
止まれない猪突猛進タイプ自分の信念は貫く。何よりも食事が好き。腕はあるが、威力の面では勇者に負ける。
C:僧侶
愛されるバカ。人よりも魔力の力が多いが、ホイホイ回復をする為よく倒れていた。ちょっと(?)臆病者。
D:魔法使い
孤高の魔法使いと呼ばれる。魔法を極めすぎて人付き合いを忘れたが元はワイワイするのが好きだった(はず)。クールを装っているがかなり寂しがりだったりする。
E:王様(魔王と兼役)→本文中:E王
自分の言うことは絶対通る為わがままに。謁見よりゲームが好き。昔は勇者に憧れていた。
E:魔王(王様と兼役)→本文中:E魔
お茶が好き。アイスよりホット派。昔は勇者パーティを倒すのを楽しみにしていたが、待ちすぎて倒す事よりも辿り着いたことを称えるようになってしまった。本気を出せば(たぶん)強い。このお話の中で1番いい人。(当社比)
(ナレーションは「An」のように記載します。)


(以下をコピーしてお使い下さい)

『まおうさま』作者:なる
https://nalnovelscript.amebaownd.com/posts/7971268
A:
B:
C:
D:
E:



-------- ✽ --------





【王城・玉座前】


001 E王:ここにいる皆でパーティーを組んでもらう!

002 D:断る。私にパーティーは必要ない。

003 C:……ふぁ……ねむっ……。

004 B:私もうパーティー組んでるんだけど?!

005 E王:ええい!うるさいうるさい!我の言う事は絶対だ!

006 B:王様わがまま……。

007 A:なるほど!分かりました!みなさんよろしくお願いします!

008 D:私はパーティは組まないって言ってるだろ。

009 C:え?何?パーティするんですか?

010 B:ちょっとそこ黙ってて?!いや勇者くん(ちゃん)嘘でしょ?!いいの?!

011 A:はい!王の言うことは絶対です。

012 E王:そーだそーだ!勇者よ!もっと言ってやれ!

013 C:王様が完全にガヤだ……。

014 B:それは言っちゃだめなやつだ。

015 D:はぁ……なぁ、とりあえず話を続けてくれないか?時間の無駄だ。

016 E王:お、おう。すまんな……(咳払い)……それでは勇者A・戦士B・僧侶C・魔法使いD、パーティを組んで魔王を倒し、この国に平和をもたらすのだ!

017 Bn:こうして無理やり組まされた勇者パーティは、数日後、歩いて3時間の距離にある魔王の城へと向かうのだった。






【@魔王の城】


018 D:ここが魔王の城か……。

019 C:そういえばこのお城、国からバッチリ見えてたなぁ……ただの廃墟かと思ってた。

020 B:まぁ国の隣と言ってもおかしくないくらいの距離だからね。

021 A:凄い雰囲気があるお城だね。

022 B:あ!扉だ!

023 C:ほんとだ……こんな禍々しいなんて聞いてないよ……帰ろうよ……。

024 D:お前は魔王の城に何を求めたんだ?

025 C:いや……だってパーティって何かをお祝いする方のパーティだと思ってたし、それに王国から歩いて3時間のところに魔王の城っておかしいでしょ……。

026 D:前半部分はともかく、後半は納得だな。なんでここに放置されてるんだ?

027 B:ねぇそんな事より、もう開けていい?!扉開けていいよね?!空けるよ?!

028 D:おい待てっ!…………はぁ。

<魔王城の扉が開く>

029 B:え?

030 C:え?じゃないからね?!え?じゃ!もう少し危機感もって?!魔王の城だよ?!なんで開けちゃったの?!

031 B:だってただの扉じゃん。開けなきゃ始まらないよ?

032 C:ただの扉じゃないよ?!ま・お・う・の・し・ろ!の扉だからね?!

033 D:ほら、喧嘩してないで、中入るぞ。

034 C:D?!

035 D:ほら、腹くくれー。いくぞー。

036 A:はい!行きましょう!Dさん!

037 C:ちょ、ちょっと待って置いてかないで!

038 B:よーし!じゃあ行ってみよー!

<戦いながら進む>

039 A:うわぁ、凄いな。

040 C:魔王の城って感じ……ひぃ!

041 B:おりゃ!(敵を倒す)……大丈夫、ただの雑魚モンスターだよ。

042 A:お見事!

043 C:ありがとう……びっくりした……。

044 B:感動してる暇があったら手伝ってよ!

045 D:ファイヤー・ボール!……ふぅ。

046 B:援護さんきゅ!

047 D:お前は突っ走ってないで後ろもしっかり見ろ。

048 B:はーいっ、ごめんなさーい!はい次々ー!

049 A:じゃあ俺達も混ざりますか……とりゃっ!

050 B:おぉ〜さすが勇者なだけあるね!威力が違うや!私も負けずにっ、えい!

051 C:ホーリー・シールド!……さあ今のうちに!

052 A:Cナイス!……これで終わりだっ!せいっ!

053 D:……この辺りは一通り倒したみたいだな。

054 A:ですね!……そういえば、Dさんって魔法の発動まで凄く早いですよね、なんかコツとかありますか?

055 D:あぁー、慣れ……だな。

056 A:慣れ、ですか。

057 B:うわぁ、一番参考にならない言葉だ。

058 C:答えになってない……。

059 D:う、うるせ!ほらさっさと行くぞ!

060 A:あはは!よし行きましょう!

<何かの作動音がする>

061 B:ん?何の音……。

062 C:みんな気をつけて!

063 D:……さよなら。(小声)

<床に穴が空き、Aが突き落とされる>

064 B:勇者くん(ちゃん)!!!

065 C:意外と深そうだな……何も見えない。
 
066 D:こんな深いと助けられないな……とりあえず先に進むぞ。後で合流できるだろたぶん。

<A落下>

067 A:痛たた……ここどこだ?……なんだ?この扉……あれ、札がかかってる。えーっと……魔王の部屋?……ええっ?!もう魔王の部屋の前!?嘘だろ……みんなどこだよ……仕方ないか……とりあえず俺だけでも……!

 <Aが扉を開ける>

068 E魔:あれ、お客様ですか。

069 A:出たな!魔王!

070 E魔:どうも、魔王です。いらっしゃい。

071 A:あ、どうも勇者です。

072 E魔:おぉ〜、勇者さんですか!まぁそこに居てはなんですし、こちらに来てお茶でも飲みませんか?

073 A:あっ……はい……お言葉に甘えて……え?ま、魔王さん……ですよね?

074 E魔:えぇ、えぇ、魔王ですとも。ところであなたお名前は?

075 A:あ……Aです。

076 E魔:勇者のAさん。ようこそ魔王の部屋へ!いやぁ勇者パーティの方だったとは……ところでお仲間さんは?あ、お茶どうぞ。

077 A:ありがとうございます。仲間は……その、はぐれちゃって。

078 E魔:ほう……はぐれた、ねぇ。……裏切られた可能性は?

079 A:裏切られたなんてことはない、と思いたいです……。

080 E魔:しっかし……あのトラップに引っかかるパーティがいたとは……。

081 A:いや、私もびっくりですよ。あそこにトラップがあるなんて。

082 E魔:まぁ試しに置いてみただけなんですけどねぇ。

083 A:あんなところに置かないでくださいよ。

084 E魔:だって〜。

085 A:だってじゃないです。はぁ。私どうしたら……。

086 E魔:さっきモニターで見てたんですけどね?Aさん裏切られたって事ないですか?

087 A:え?私裏切られたんですか?

088 E魔:あー、いやぁー、そのー。

089 A:あぁ。やっぱりかぁ。

090 E魔:やっぱり?

091 A:いや実は思うところがあって……。


<少し間・ここから回想シーン①>


092 B:ねぇ!早く早く!お腹すいた!

093 C:ちょっと待って〜。

094 A:ここ?Bが言ってたオススメのお店って。

095 D:なかなかいい雰囲気のお店じゃないか。

096 B:でしょ?……こんにちは、マスター!いつもの4つ頂戴!

097 C:いつもので伝わるのか〜すげぇ〜。

098 B:そのくらい通ってるからね!

099 D:ちゃんと美味しいんだろうな?

100 B:失礼な!マスターの料理は超絶美味しいんだから!

101 A:いやぁ楽しみだなぁ。

102 B:あ!きたきた。サンキューマスター!……さっ、食べよ!いただきます!

103 A:ん!これ美味しい!

104 B:でしょ?!ここの名物なんだよ!

105 A:Bのもーらい!

106 B:あ!!!私の!!!それ後で食べようと思ってたのに〜!バカ!

107 A:何回も食べてるんだろ〜?今回くらいいいじゃん!

108 B:バカバカバカバカ!三代先まで恨んでやるから!!!


<少し間・現在に戻る>


109 A:……って事があって。

110 E魔:食の恨みは怖いですからねぇ。

111 A:ここからBは食事の時にすごく冷たくなりました。

112 E魔:それは……しょうがないっ。

113 A:ですよねぇ……あ、あと……。


<少し間・ここから回想シーン②>


114 B:ねぇねぇ、何読んでるの?

115 D:あぁ、これ?……魔導書。

116 B:魔法が書いてある本?

117 D:そう。私のの魔法の基礎。

118 A:何何!Dさんの魔法の話?!

119 C:え、私も聞きたい。もっと早く魔法使えるようになりたいんだよね。

120 D:Cはそもそも魔力の出費の方をどうにかしろ。多すぎだ。

121 C:うぅ、それ難しいんだよなぁ。

122 A:Dさん、私も知りたいからいい機会だし教えてくださいよ!

123 D:ったく仕方ないなぁ。Bは聞くのか?

124 B:いや、いいや!私外で素振りでもしてる。

125 D:じゃあまず、この図に書いてあることを理解しろ。

126 A:なるほど〜、こういう仕組みなんですねぇ。

127 C:これは学校で習ったからわかるなぁ。

128 D:おう、で次がこっち。

129 A:なるほどなるほど。じゃあここが短くなればもっと魔法も?

130 D:あぁ、短い時間で発動できるようになる。……C、大丈夫か?

131 A:おーい。

132 C:全然分からない。

133 D:そういう学校に行ってたならこの辺も習ってるはずだが?

134 C:あー、いやー、勉強はちょっと……。

135 A:成績とかは?どうだったの?

136 C:えーっと、全教科の平均が50点くらい?

137 A:え、すごいじゃん。半分。

138 D:まて、それは何点満点の話だ。

139 C:……500点。

140 A:え?じゃあ100点満点で言うところの10点?

141 C:そうやって人が気にしてることをズケズケと……。

142 A:そっかぁ……Cがバカでも、私は好きだよ!

143 C:くそっ、バカにしやがって!


<少し間・現在に戻る>


144 A:……って事も。

145 E魔:あぁ〜、10点はなぁ。

146 A:さすがに取ったことないですよ。

147 E魔:Cさんは僧侶さんでしたよね?

148 A:ですね。

149 E魔:僧侶の方であそこまでとは……珍しいですね。

150 A:ですよね〜!あとそういえば……。


<少し間・ここから回想シーン③>


151 B:あはは!こうやって踊るの楽しい〜!

152 C:久しぶりにこういうのもいいなぁ!

153 A:ほら、Dさんもおいで!

154 D:私はいい。ここで見てる。

155 B:え〜!こうやって広場で踊れることなかなかないよ!おいでよ!

156 D:私はいい。間に合ってる。

157 A:はいはい、くるくる。ほら!(Dを引っ張り込む)

158 D:貴様……!

159 A:大丈夫大丈夫!音に合わせて動けば大丈夫!

160 D:苦手だっていっただろうが……覚えておけよ(少し嬉しそう)


<少し間・現在に戻る>


161 E魔:……え、終わり?

162 A:終わりです。

163 E魔:え?最後嬉しそうだったよ?!というかこれは恨まれるエピソードなの?!

164 A:これくらいしかDに恨まれるようなこと思いつかないんですよね。

165 E魔:これじゃない感が凄いけど……まぁいいです。(咳払い)さて、そろそろ魔王らしいことをしようと思うのですが……。

166 A:何するんです?

167 E魔:すごい語尾にワクワクって書いてありそうなテンションでいいましたね?!

168 A:魔王らしいことってむちゃくちゃ気になるじゃないですか!

169 E魔:ふっふっふ、実は……。

170 A:実は?

171 E魔:お仲間さん達に試練を与えようかと思うのです!

172 A:さんせー!!!

173 E魔:え?

174 A:え?

175 E魔:そこは普通、『やめてください!仲間に手を出さないで!』とか言うところじゃないですか?

176 A:裏切られて腹が立ってきたので全然オッケーです。仕返し仕返し!やっちゃってください!

177 E魔:あ、はい。

178 A:で、どんな試練にするんですか??

179 E魔:それをAさんに決めて欲しいんです。なんかいいもの思いつきます?

180 A:そうですねぇ……針山地獄とか、最凶モンスターとか、魔王軍の四天王戦とか?

181 E魔:一体どんな想像をしてここまで来たんですか。

182 A:魔王って言ったらそういう感じかなぁと。

183 E魔:さすがにそれは可哀想なので、ここから選んでください。

184 A:うわ、どれも地味〜に嫌なやつばっかり。

185 E魔:私の腹心の部下が作ったものです。

186 A:その部下さんは?

187 E魔:今バカンスに。

188 A:いいなぁ、バカンス。

189 E魔:南国に行っているそうですよ。

190 A:はぁ〜羨ましい!……よし、これとこれとこれにします!

191 E魔:どれがどなたに向けてのものか一目瞭然ですね。

192 A:えへへ!なかなかいいの選んだのでは、と思います。

193 E魔:じゃあ作りますよ〜『魔王城起動。コード【おちゃ】我の思うままに城を作りかえよ。』

194 A:おぉ〜!

195 E魔:さて、我々はこちらのスクリーンを見ながらティータイムにしましょう。

196 A:はい!


<魔王城起動>


197 B:うわっ、なんの音?

198 C:なんかの機械のスイッチをオンにしました、みたいな音したけど……。

199 D:おい。あんな扉さっきあったか?

200 C:なかったはず……。

201 B:いこ!ほらほら!……あれ、なんか書いてあるよー?えーっと、『こっちだよ!by魔王』だって。

202 C:絶対罠じゃん!

203 D:罠だろうけど……この先行き止まりだからなぁ。行くしかないな。

204 B:じゃあ扉開けるね!

205 D:おい待て!

206 B:開けるよー!(扉を開ける)……うわぁすごいよ!

207 C:あー行っちゃった……。

208 D:あいつには学習能力というものが無いのか?あれだけ突っ走るなと……あいつはイノシシか何かなのか?

209 C:止まったら死にそう。

210 D:イノシシよりマグロか?

211 C:うーん、もしかしたらBの前世はイノシシかマグロかもしれないね。

212 D:はぁ……想像もしたくない。

213 C:あの行動力は尊敬するけどな〜私も欲しかった。

214 D:私的にはお前たちを足して2で割りたいところだ。

215 C:それは勘弁してよ……。

216 B:ほら!はやくはやくー!!

217 C:はぁ、行きますか。

218 D:行くか。……この部屋……。

219 C:3つの部屋と、その扉になんかの模様が書いてあるね。

220 B:ねえねえ!ここに『それぞれが該当する部屋に入られよ。入れるのは1部屋に1人のみだ。』って書いてあるよ。

221 D:あー、そういう事か。この扉の模様、これはギルドカードのジョブマークだな。

222 B:え、魔王詳しすぎない?そんなことまで知ってるの?!

223 D:さすが魔王、だな。とりあえず、私はここ、Bがそこで、Cがそこ入れ。

224 C:えぇ、いやだぁ……。

225 B:じゃあ私行ってきまーす!2人ともまた後でね!

226 C:え、はや!

227 D:私も行くぞ。また後でな。

228 C:えぇ〜〜。




<@モニタールーム>


229 E魔:お、みなさん入られましたね。

230 A:私ちょっとやってみたいことあるんですけど付き合ってくれます?

231 E魔:いいですよ〜いいですよ〜!何でしょう。

232 A:じゃあ行きますよ……(咳払い)……さぁ始まりました!今日のモニター!略して今日モニ!解説は私Aと!

233 E魔:私、魔王Eでお送りしま〜す!

234 A:あはは!魔王さん最高です!

235 E魔:私も楽しいの大好きなのでね、こういうのは乗っちゃう♡なんつって。さて、最初のお部屋はこちら!

236 A:Bのいる部屋ですね〜!では魔王さん!ズバリこの部屋の名前をお願いします!

237 E魔:この部屋の名前は……『リズムタイル!他のタイルは踏んじゃだーめっ♡』です!

238 A:なんとも可愛い!あざとい!

239 E魔:こちらの部屋は、色の付いたタイルを踏んでいくだけでクリアできるという簡単なお部屋なんですがね、それだけじゃないんです。

240 A:と、いいますと?

241 E魔:約5秒間、そのタイルにステイしなきゃいけないんです!

242 A:なんと!それも簡単に感じますが、イノシシマグロタイプのBに耐えられるでしょうか!

243 E魔:ちなみに部屋でかかっている音楽は私のお気に入りのプレイリストです。

244 A:なるほど、それでリズムタイル……音楽かかってるだけで何も関係ないんだよな…まぁいいや、さて次のお部屋行ってみよーう!

245 E魔:さてさて、こちらのお部屋は『数独の間』!

246 A:ん?さっきのネーミングセンスどこいきました?

247 E魔:いや、なんかいいの思い浮かばなくて……その……。

248 A:あ、これめんどくさくなったやつだな。

249 E魔:あっ、バレちゃいました?……てへぺろ☆

250 A:はぁ……あざといから許す。勇者許しちゃう!

251 E魔:よしっ。さてこの間ですがね、まぁそのままです。数独頑張って解いてね!っていう!それだけです。

252 A:これは……頭が弱いCには厳しいのでは?そもそもルールを知っているのか……?

253 E魔:あ、それは大丈夫です。しっかりやり方動画付けておいたので。

254 A:優しいっ、粋な計らいありがとうございます!

255 E魔:いえいえ〜!

256 A:にしてもこの部屋凄いですね!

257 E魔:魔法使って教室風にしてみました!

258 A:おっと?Cへの精神ダメージはデカそうだ!

259 E魔:教室の隅っこで固まってますもんね。

260 A:きっとこんな学生生活送ってたんだろうなぁ。

261 E魔:やめなさいやめなさい。さぁ次のお部屋紹介しますよ〜、次もなかなかの力作です。

262 A:おぉ!こちらも学校ですね?

263 E魔:そうです!ここのお部屋の名前は……『友達100人できるかな?』です!

264 A:どっかで聞いたことあるフレーズだぞー?

265 E魔:気のせい気のせい。でですね、この部屋ではなんと!Dさんの苦手な友達作りをしてもらいます!

266 A:うわぁ〜残酷。

267 E魔:まぁ一応試練ですからね。頑張ってもらわないと。

268 A:あ!Dが自己紹介しますよ!聞いてみましょう!

269 D:Dだ。よろしく。

270 A:……あれじゃ友達出来ないわ。無理だな。

271 E魔:あぁ……先が思いやられますがここで一旦CMです!

272 A:……あはは!魔王さん最高!むちゃくちゃ楽しいです!

273 E魔:いやぁ、久しぶりに私もすごく楽しいですよ。You、私の部下にならない?

274 A:え、魔王さんが上司なら毎日楽しいですね!なりますなります!

275 E魔:あはは!じゃあ続き見ましょうかね!

276 A:はい!……ここはBの部屋ですね!

277 E魔:いやぁ、全然進んでいないっ!あ、言い忘れたんですが、失敗するとスタート地点に戻るようにしてあります。失敗カウンターとBさんがどの辺りまで進んだかはスクリーンの右下に。

278 A:ほんとだ!……全然進んでませんねぇ。失敗カウンターも10を超えてるし……。

279 B:もー!!!なんなの!!!色が変わるタイミングバラバラじゃん!

280 A:やっぱりイライラしてますねぇ。……あ、またスタートに戻った。

281 E魔:これはまた時間かかりそうですねぇ。仕方ないので中間地点にセーブポイントを作ってあげますかね。

282 A:この魔王、優しすぎる……。

283 E魔:そんな失敗して心折れちゃったら可哀想じゃないですか。……さて、次のお部屋見ますよ〜。おっとこれは……。

284 A:これはあれですね。考えるふりしてとっくに諦めてますね。

285 E魔:あらら、そんなに難しかったかな……。

286 A:問題ズームしてくださーい!……え!最初からこんなに数字埋まってる数独あります?!

287 E魔:これまだ1問目ですもん…最初は優しくと思って……。

288 A:あー、鉛筆転がし始めちゃった……数字足りないだろうに。

289 E魔:頑張れ、Cさん!

290 A:応援し始めちゃった(笑)

291 E魔:さて次も見てみますかね!こちらは……。

292 A:グループが出来ていますね!おっ、女子グループに囲まれてるぞ?!

293 E魔:やっぱりクール系はモテるんですかね?……あ!私のアンジェリカちゃん!

294 A:え?

295 E魔:あぁ、あのDさんを取り囲んでいるお嬢様方、私のお気に入りのグループなんです。左から、アンジェリカちゃん、ソフィーちゃん、アマンダちゃん、ジェシカちゃん、そしてステファニーちゃんです。

296 A:あー、なるほど。自分で作ったものに推しがいると。

297 E魔:もちろんです!好きなタイプの女の子作らなきゃ魔王もやってられません!

298 A:あぁいうタイプが好きなんですね、なるほど。覚えておきます。

299 E魔:(咳払い)……さて、今Dさんの友達になったのは……3人!のみ!はっは!!!

300 A:嬉しそうですね。

301 E魔:推しの女の子たちはまだお友達じゃないようなので。はしゃいでしまいましたね。失礼。

<ピンポーン>

302 E魔:あ、荷物が届いたみたいなので少し失礼します。

303 A:はーい!いやぁ……楽しいなぁ。勇者辞めようかなぁ。魔王があれじゃあ私の役目ないしなぁ。

304 E魔:お待たせしました〜!腹心の部下からお土産が届きました!食べます?

305 A:あ!それ美味しいやつ!食べたいです!

306 E魔:まだクリアまで時間あるでしょうから食べましょう食べましょう。準備してきますね。


<B・C・Dの休憩時間>


307 B:はぁ……はぁ……やっとここまで来た。……ん?中間セーブポイント。え、まだ半分?!もう嫌だ……あれ?このBGM……あ!これなら!

308 C:あーーわかんないーーー。ここが3なら?ここが……6?……あ、違った。え、わっかんね。……てかこれ全部数字試していけばクリアできるんじゃ……。

309 D:はぁぁぁぁぁ、なんで私が今更友達作り?たしかにグループに入れないのは寂しいけど……でも友達100人も要らないし……たぁ今だけだから……あ、みんなに魔法教えたらまとめて友達に出来るか……。




<@モニタールーム>


310 E魔:お、みなさんなんかスピードが上がりましたね!

311 A:Bは……なんかステップ踏んでる?

312 E魔:リズム取るのが上手いですね。きっとリズムに気づいたんでしょう。

313 A:リズム?

314 E魔:はい、3・3・7拍子にあわせて色が変わるようにしてあります。

315 B:いち、に、さん!いち、に、さん!いち、に、さん、し、ご、ろく、なな!これなら行けそう!

316 A:あぁ、なるほど。

317 E魔:はい。これならクリアまでもうすぐです。……こちらのCさんは……。

318 A:おっと諦めてパワープレイに切り替えてきましたね。

319 E魔:おぉ、これも打開策のひとつですからね。

320 A:バカの底力……と。

321 E魔:Dさんは……あぁ上手いですね。

322 A:魔法教室……してる。

323 E魔:たしかに、あの顔と声の先生がいたら習いたくなりますね。

324 A:あぁ〜ですねぇ〜。ずるいなぁ。

325 E魔:ずるいですね。……ほら、友達カウンターもどんどん伸びてますもん。

326 A:みんなすごい追い上げだなぁ。

327 E魔:いやぁ、若者の頑張る姿はいいですね!

328 A:そういえば、魔王ってどうしてここの魔王に?……。


<試練の間クリア後>


329 B:……ご、ろく、なな!やったー!!!クリアだー!!!あー疲れた……。ふふ!私にかかればこんなもんだ!……みんなもうクリアしてるのかな。早く行かなきゃ!


330 C:あとここだけか!えっと、残ってるのが3と6と9だから、3……じゃない、6……も違うか。となると9だな!あとここは3……よし!ここが6で……よっしゃ!クリア!!!ああ一生分の脳使った気がする。……あそこの扉を抜けたらクリアか。そろそろ行かないとな……。


331 D:以上で魔法教室は終わりです。どうでしたか?……それは良かった。ではまた。……あ、消えた。……ふぅ、久しぶりに人に教えたな……さて、行くか。


332 B:みんな!お疲れ様!

333 C:お待たせ!

334 D:3人ともクリア出来て良かった。

335 B:どんな試練だった?

336 C:私はひたすら数独を解いてた……。

337 D:私は架空の友達を作らされたよ。

338 B:なにその変わり種。

339 D:さぁな。

340 C:Bのは何だったの?

341 B:私はリズムに合わせてタイルを踏んでいく感じのやつ!

342 D:全体的によく分からない試練だな。

343 B:んまぁクリアしたんだしオッケーってことで次行こ!次!

344 C:次は……あれかな?

345 B:んー、これだね!……ん?魔王の部屋。だって。

346 D:とうとう魔王の部屋か……。

347 C:そういえばAいないけどいいの?大丈夫かな?

348 D:引き返す道がないからな……進むしかないだろ。

349 B:じゃあ開けていい?扉開けるね!

350 D:あぁ、いけ。

351 C:う、うん。

<扉を開ける>

352 A:え!まじすか!よっ!さすが魔王!

352 E魔:あはは、言い過ぎですよ〜!

354 A:いやいや、さっきの魔法も凄かったですもん!言い過ぎじゃないですよ〜!

355 E魔:魔王……頑張っちゃった!

356 A:うん〜!えらい!偉すぎるよ〜!

357 D:お前ら何してんだ?

358 A:あ!やっと来た!お疲れ!

359 B:え?……はぁ?

360 E魔:あぁ〜!Aのお仲間さん〜!どうもー!いらっしゃい!

361 C:えーっと、A?そちらの方は?

362 A:え?魔王さんだよ。

363 B:はぁ?!なに魔王と仲良くなってるの?!

364 D:あー、これから倒す的ななにか?

365 C:あー、それなら納得だけど……。

366 A:いやいや、何言ってんの?

367 D:それはこっちのセリフだ。

368 C:と、とりあえずこっちにおいで?

369 B:マインドコントロールでも受けてるんじゃないの?

370 E魔:そんなことしてませんよ〜!ねー!A!

371 A:ですよねー!魔王!……あ、そうそう。私、魔王の部下になることにしたから。よろしく!

372 D:はぁ?

373 C:え?

374 B:はぁぁぁ?!




<王城玉座前>


375 E王:……なんてことがないようにパーティメンバー仲良くするんだぞ!

376 B:いや、前置きなっが!

377 C:……んんっ……。

378 D:おい、おきろ、一応謁見中だ。

379 C:ふぁ……話長すぎてつい……。

380 A:はい!王様!仲良くします!私にお任せ下さい!

381 B:だから勝手に話進めないで?!

382 C:パーティ……って何?何の話?

383 D:私は組まないって……。

384 A:私勇者Aです!頑張りましょう!皆さん!

385 E王:うむ。ではこの国を頼んだぞ!勇者パーティよ!


(終)

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