【男2】僕はテディ

男2/時間目安30分


【題名】
僕はテディ


【登場人物】
緋山涙(ひやまるい):愛香症を患う。
飯嶋夏蝶(いいじまほたる):ぬいぐるみ症を患う。


【台本に入る前に少し基本説明】
*愛香症(あいこうしょう)
愛情を抱くと体からいい香りを発する病。自分の体から発しているため、本人は知覚できない。
*ぬいぐるみ症
発作を起こすとぐったりとその場にへたり込んでしまう。誰かに抱きしめてもらえるまで元に戻れない。


(以下をコピーしてお使い下さい)

『僕はテディ』作者:なる
https://nalnovelscript.amebaownd.com/posts/25789607
緋山涙(男):
飯嶋夏蝶(男):



-------- ✽ --------





【自宅】


001 涙:ただいまー。

<返事がない>

002 涙:あれ、ホタルー?いるー?……寝てるのかな。

<寝室に向かう涙>

003 涙:(小さめの声で)ただいまぁ……ホタル?

004 涙N:寝室に入ると、部屋の隅で床にへたり込んでいるホタルがいた。

005 夏蝶:……あ……ルイ……。

006 涙:動けなくなっちゃった?

007 夏蝶:……ごめん。

008 涙:もう大丈夫。俺がついてるからね。

009 涙M:俺はそっとホタルを抱きしめる。動けなくなったホタルを抱きしめていると、本当にぬいぐるみを抱いているような気持ちになる。抱きしめ返して来ない、俺より少し背の低い、暖かいぬいぐるみ。それがホタル。ぬいぐるみ症という奇病を患う、俺の恋人。

010 夏蝶:いつもごめん。

011 涙:はいはい、謝らない。……ホタルが悪いわけじゃないでしょ。

012 夏蝶:でも、

013 涙:でもじゃない。そんな事いいから、黙ってもう少し抱き締められてなさい。

014 夏蝶:う、ん。

015 涙:俺が抱き締めたいから抱き締めてる。ホタルは巻き込まれてるだけ。

016 夏蝶:……うん、ありがとう。

017 涙:よろしい。

(少し間)

018 夏蝶:ルイ。

019 涙:もう大丈夫?

020 夏蝶:うん。ルイ、おかえり。

021 涙:ただいま、ホタル。ごめんね、帰りが遅くなって。

022 夏蝶:最近仕事忙しそうだし、全然大丈夫だよ。

023 涙:ありがとう。あ……発作の前、今日は眠気来た?

024 夏蝶:……うん。眠くなってから、動けなくなるまであっという間で……。

025 涙:そうなったら連絡してって言ったじゃん。遠慮しなくていいんだよ。俺達恋人なんだから。

026 夏蝶:う、うん。携帯リビングに置きっぱなしにしてて取りに行けなかった……。

027 涙:そっか。

028 夏蝶:携帯はちゃんと肌身離さず持ってることにするよ。

029 涙:そうだね、家でも気をつけようか。

030 夏蝶:うん。……ルイ、もう一回抱きしめて。

031 涙:ふふ、いいよ。ほら、おーいで。

<夏蝶が涙に抱きつく>

032 夏蝶:ルイ、いい匂い。

033 涙:ホント?仕事帰りそのままだし、汗臭くない?

034 夏蝶:ルイはいつもいい匂いだよ。俺が一番大好きで、一番安心する匂い。

035 涙:そっか。……ホタルがいいならいいや。夕飯は?食べた?

036 夏蝶:……あ!やば!作ってる最中だった!

<キッチンに走っていく夏蝶>

037 涙:あ、ちょっと、ホタル?

038 夏蝶:ごめん!すぐ作るから!ルイ先にお風呂入って!あぁ、ちゃんと追い炊きしてね!洋服いつもの所に用意してあるから!

039 涙:あぁ、うん……ふふ、ほんと可愛い。






【駅】


040 夏蝶M:ルイはいつもいい匂いがする。香水とかではなく、ルイ本人の匂い。……ルイは、愛香症という病気を患っている。生活に支障はないけれど、想いが周りに筒抜けで、トラブルも多かったそう。本人には匂いが分からないらしく、俺が側にいると匂いが更に甘くなる事をルイは知らない。

041 夏蝶:ルイ、お待たせ。

042 涙:あれ、ホタル。どうしてここって分かったの?迎えに行こうと思ってたから連絡しなかったのに。

043 夏蝶:ルイの場所なら、何処にいてもすぐ分かるよ。こんなに人が沢山いる駅でも。

044 涙:あぁ、匂い、か。

045 夏蝶:うん。

046 涙:あー、だからか……。

047 夏蝶:何かあった?

048 涙:凄いジロジロ見てくる女がいてさ、不思議に思ってたんだ。

049 夏蝶:はぁ?……ルイは俺のなのに……。

050 涙:大丈夫大丈夫、俺の事狙ってる人なんていないよ。

051 夏蝶:ルイはもう少し自分の顔の良さを自覚するべきだよ。

052 涙:ん?

053 夏蝶:何でもない。……ルイこっち向いて。

054 夏蝶N:口にキスをするように見せかけて、俺はルイの頬にキスをした。

055 涙:え?!

056 夏蝶:これでみんな、俺達がそういう仲だってことは分かったと思うし、下心のあるやつはもう寄って来ないね。

057 涙:あはは、ありがと。

058 夏蝶:ルイ今日もカッコイイね。

059 涙:ありがとう。ホタルも今日の服いいね。このシャツ、この前買ったやつだよね?

060 夏蝶:うん。せっかくだからルイが選んでくれたこのシャツを着ようと思って。

061 涙:ほんと可愛い……流石、俺の恋人。

062 夏蝶:ちょっ、ルイ!

063 涙:ふふ……じゃあデート、行こうか。

064 夏蝶:うん!






【自宅・寝室】


065 涙:ホタルー。

066 夏蝶:ん……ルイ?

067 涙:……今日、しよっか。

068 夏蝶:え、?

069 涙:……ヤダ?

070 夏蝶:……ルイ。

<そっぽを向く涙>

071 涙:やっぱり、何でもない。

072 夏蝶:ルイ、ほら。

073 涙:もう寝る。

074 夏蝶:ふふ……あーあー、寂しいなぁ。

075 涙:……ずる。

076 夏蝶:あーあ、こっち向いてくれないなら後ろから抱きつくからいいよー。

077 涙:ホタル、離して。

078 夏蝶:やだ。

079 涙:そっち向きたい……。

080 夏蝶:はい、どーぞ。……あーあー、泣きそうな顔して。どうした?

081 涙:分かんない。

082 夏蝶:じゃあほら、こうやってくっついてよ、ね?

083 夏蝶M:ルイが少し強引に俺を誘う時は、ルイが不安を感じたり、寂しいと思った時の合図。こういう時はそっと頭を撫でながらルイを抱きしめる。

084 涙:ホタル……俺の事好き?

085 夏蝶:うん、好きだよ。……愛してる。

086 涙:……そっか。

087 夏蝶:ルイは?俺の事好き?

088 涙:うん。……好き。

089 夏蝶:嬉しい。よしよし。

090 涙:ホタル暖かい。

091 夏蝶:……ルイは蝶みたいだね。

092 涙:蝶?

093 夏蝶:うん。ルイは、いつも甘い匂いを運んでくる蝶。

094 涙:ふふ、なにそれ。そうだな……ホタルはくま、かな。

095 夏蝶:俺はルイ専用のぬいぐるみだもんね。

096 涙:そう。だからどこにも行っちゃダメ。ホタルは俺のだから。

097 夏蝶:どこにも行かない。……僕はテディ。ご主人様のお傍にずっと居ます。……ふふ。

098 涙:あはは!……俺のテディは可愛いなぁ。

099 夏蝶:テディはハグが大好きです。いーっぱい、ハグしてください。

100 涙:はいはい。

101 涙M:言われた通り、めいっぱい抱き締めるとホタルがくすくすと笑っていた。今日は俺がホタルに抱きついているから、腕がお腹にあたってくすぐったいらしい。……ふと、ホタルの胸元に光るネックレスが目に入った。

102 涙:ホタル、ネックレス外さないの?

103 夏蝶:外せないよ。……ルイから貰ったものだし。

104 涙:ホタルはさ、俺でよかったの?

105 夏蝶:じゃあ逆に聞くけど、ルイは俺でよかったの?

106 涙:いいに決まってるじゃん。そうじゃなきゃ、ホタルにネックレスはプレゼントしないよ。

107 夏蝶:……それと同じだよ。

108 涙:どういうこと?

109 夏蝶:ルイからのプレゼントじゃなきゃ、ネックレスは受け取らない。

110 涙:……そっか。

111 夏蝶:そうだよ。……ほら、もう寝るよ?ルイ、明日も仕事だよね?

112 涙:うん。ホタルは?

113 夏蝶:明日休み。

114 涙:えぇ、じゃあ俺も休んじゃおうかな。

115 夏蝶:ダメだよ。

116 涙:えー、ホタルのイジワル。

117 夏蝶:もし休んだら、……罪悪感に駆られて、後で部屋の隅っこで体操座りして頭にキノコが生えるのは、……どこの誰かな?

118 涙:うっ……。

119 夏蝶:ふふっ、ルイの好きなもの作って待ってるから。仕事頑張れ。

120 涙:はーい。……今日はこのまま寝てもいい?

121 夏蝶:いいよ。ルイが眠るまで、頭撫でてあげる。

122 涙:ん!……手繋いで。

123 夏蝶:はいはい。

124 涙:おやすみ、俺のテディ。


<間>


125 夏蝶:……ルイー?……ルイはさ、ずっと傍に居てくれる?……ルイが他の人のものになるの、……いやだなぁ。






【デートの帰り】


126 涙:ホタル、最近ご機嫌だね。

127 夏蝶:まぁね。最近ルイと過ごせる時間が多いからね。先週も、先々週も、今日も!デートしてるし。

128 涙:ふふ、俺の事大好きじゃん。

129 夏蝶:……うん。大好き。

130 涙:その笑顔禁止。

131 夏蝶:なんで。

132 涙:とっっっっっても可愛いから、他の人に見せたくない。

133 夏蝶:うぅ……照れてるルイ可愛い。

134 涙:こら!揶揄うな。

135 夏蝶:むくれてるルイ可愛いねぇ。

136 涙:ほんと、ホタルは世界一可愛いね?

137 夏蝶:え、あっ、世界一はルイだよ?

138 涙:違う、ホタルが世界一。

139 夏蝶:ルイですー。

140 涙:じゃあ俺達世界一のカップルだね?

141 夏蝶:なっ、そういうことをまた……!

142 涙:ふふ、最近調子よさそうでよかった。酷い時本当に辛そうだから。

143 夏蝶:ルイがそばに居てくれるお陰だよ。

144 涙:何か役に立ててるなら良かった。

145 夏蝶:それに、寂しいにも少しずつ慣れていかなきゃいけないからね、俺も頑張らないと。

146 涙:焦らなくていいんだからね?

147 夏蝶:でも出来る努力はしないとね……俺は大丈夫。

148 涙:そっか。

149 夏蝶:さて、そろそろお茶でもしたいんだけどカフェに入りませんか?

150 涙:何?その話し方。

151 夏蝶:何となく?

152 涙:ふふ、じゃあ行こっか。あそこ行こ。






【自宅】


153 夏蝶:ルイー。来月の最後の週の土曜日って空いてたりする?

154 涙:何かあるの?

155 夏蝶:コラボカフェやるらしくて、行きたいんだよね。一緒にどうかなと思って。

156 涙:あぁ、ホタルが好きなアニメのやつだ。ちょっと待ってな。……えーっとそこは……あ、ごめん、大阪に出張だ。

157 夏蝶:え、出張?

158 涙:言うの遅くなってごめん。そういうのいつも断ってるから普段声かからないんだけど、今の時期忙しくて行ける人が他にいなくて。

159 夏蝶:……ううん、大丈夫。……期間は?

160 涙:土日は休みで2週間。日曜に出て、土曜に帰ってくる予定になってる。

161 夏蝶:そっか。……長い、な。

162 涙:……ホタル?

163 夏蝶:……あ、そうだ。僕お風呂……お風呂、行ってくるね。

<立ち上がる夏蝶>

164 涙:……ホタル、待って。

165 涙M:声を掛けただけなのに、ホタルは肩をビクッと震わせた。

166 夏蝶:な、なに?

167 涙:ここ、来て。

168 夏蝶M:『ここ来て』はルイが絶対に逃がさないモードの時に使う言葉だ。

169 夏蝶:……うん。

<夏蝶を膝の上に座らせる涙>

170 涙:ホタル……怖い?

171 夏蝶:ん……でも、大丈夫だから。最近発作もほとんど出てないし、この前の検診でも、良くなってきてますねって先生に言われたし。

172 涙:本当は?……本当はどう思ってるの?

173 夏蝶:ん……。

174 涙:だめ、本心言うまで離さないよ。

175 夏蝶:……2週間は……長いなぁ。

176 涙:うん、俺もホタルを置いていくの少し心配。

177 夏蝶:でも、僕、ルイが戻ってくるまで、ちゃんとお利口で待てるよ?

178 涙:まだ時間もあるし、一緒にどうするか考えよう?

179 夏蝶:ルイに迷惑かけないようにするから。……僕は、大丈夫、だから。

180 涙:ホタル、ちょっと待って。

181 夏蝶:僕、我慢できるよ。ルイがお仕事してる間、僕も頑張るから。

182 涙:大丈夫。大丈夫だから、ね?少し落ち着こう?

183 夏蝶:……ん。

184 涙:……ホタル?

185 涙M:突然俺の腕の中で眠たそうにしているホタルに驚きはしたものの、この光景にも慣れてきている自分がいた。

186 夏蝶:……ん……(欠伸)

187 涙:ちょっと不安になっちゃったね。大丈夫、このまま抱き締めててあげるから。

188 夏蝶:……ルイ。

189 涙:んー?

190 夏蝶:……ごめん、迷惑かけて。

191 涙:迷惑じゃないよ。

192 夏蝶:迷惑……かけないように、僕、いい子になるから……。

193 涙:もう十分いい子だから。ちょっと休もう?

194 夏蝶:僕を……捨て、ないで……。

195 涙:あれ、ホタル?……あぁ、落ちちゃったか……。

196 涙M:ホタルの一人称が『僕』に変わった時は俺が何かを間違えた時。

197 涙:ごめん。……俺また間違えちゃった。

198 涙N:俺はホタルをベッドに寝かせ、一人分のコーヒーを入れにリビングへ向かった。






199 夏蝶:あ、先輩。お疲れ様です。……はい、大丈夫です。ご心配をお掛けしてすみません。……あはは!本当に大丈夫です。今週1度帰ってくるそうなので。……はい。……あ!その書類なら先程先輩のデスクに届いてましたよ。……いえいえ。俺はこれで、失礼します。


200 涙:本社から参りました。緋山です。2週間、宜しくお願い致します。……恋、人ですか?はい、いますが……それが何か?……あぁ、初めまして。……課長さんの娘さんで、あぁ〜。……宜しくお願いしますね。……はい。


201 夏蝶:ルイが帰ってくるまであと3日か……意外とあっという間だな。……バタバタするだろうから夕飯の下ごしらえだけどっかでしておかないとなぁ。何作ろうかなぁ。……ルイの好きなカレーにしようかな。


202 涙:あぁ、お疲れ様です。……はい。……あ、土曜日……土曜日はちょっと……え、歓迎会?俺の、ですか?あぁ……え、あ、はい。分かりました。……失礼します。


203 夏蝶:あれ、ルイから電話?……もしもし、ルイ?

204 涙:あ、ホタル?急にごめん、今大丈夫?

205 夏蝶:うん、今日は早上がりだったからもう家にいるよ。どうかした?

206 涙:あのさ……土曜日の事なんだけど……。

207 夏蝶:うん?

208 涙:なんか歓迎会やるらしくて。

209 夏蝶:ルイの?

210 涙:そう、2週間しかいないのに。

211 夏蝶:へー、歓迎されてるみたいで良かった。

212 涙:あ、それで、その関係で帰るの土曜日のお昼って言ってたけど日曜になりそうなんだ。

213 夏蝶:そっか。

214 涙:大丈夫そう……?

215 夏蝶:……うん、大丈夫。……てか、日曜日もそっちにいたら?

216 涙:え?

217 夏蝶:歓迎会の後に帰ってくるとバタバタするだろうし、こっちは大丈夫。

218 涙:そう?

219 夏蝶:うん。時間も勿体ないし、観光とかして来なよ。お土産待ってる。

220 涙:……うん。分かった。じゃあそうするわ。でも何かあったら絶対連絡すること。

221 夏蝶:はいはい、分かった。ルイそろそろ休憩終わるんじゃない?

222 涙:あ!やば。……じゃあまた。

223 夏蝶:また。……そっか。帰ってこないのか。


224 涙:あぁ、先日はどうも。ありがとうございました。……はい、とても楽しかったです。……本当ですか、それは良かったです。……あ、日曜日、ですか。空いてます、ね。……あぁ……じゃあお願いします。……はい、お待ちしてます。


225 夏蝶:……あ、はい。すみません、ぼうっとしてて。……あぁ、いえ。……いやいや!本当に大丈夫です。……あっ……分かりました。じゃあお言葉に甘えて……ありがとうございます。


226 涙:……そうですね。本当にあっという間で。……いやぁ、皆様のおかげです。とても楽しく色々学ばせて頂きました。……はい、また機会がありましたらぜひ。……あはは、今日の昼ですか?まだです。……はい、ぜひ。ご一緒させてください。


227 夏蝶:ルイ……何してるかな……楽しんでるといいなぁ……あっ携帯、落ちた……ん、届かない……(欠伸)……やば……ル、イ……。






【自宅・出張帰り】


228 涙:ただいま〜。

<返事がない>

229 涙:ホタル?どこー?

<寝室へ>

230 涙N:寝室へ向かうと、ベッドの上には目の光を失い、動けなくなったホタルがいた。

231 涙:ホタル……やっぱりダメだったか……。

232 涙M:いつもより少し強くホタルを抱きしめると、虚ろな目に少し光が灯った。

233 夏蝶:ん……だれ……?

234 涙:俺だよ、ホタル。ただいま。

235 夏蝶:ルイ……?

236 涙:うん。ごめん、遅くなって。

237 夏蝶:あ……おかえり、ルイ。

238 涙M:ふわっと笑うホタルの笑顔は、見た事が無いほど儚くてとても愛おしくなった。

239 涙:2週間も一人にしてごめん。数日お休み貰ったからずっと一緒にいようね。

240 涙M:ホタルは嬉しそうに笑い、そのまま眠りについた。

241 涙:離さないから、俺のテディ。


(終)



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続きのお話 ⇢『縋った薫りは』(男2:女2)

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