【男1:女1】秋のような、冬のような(姉弟版)

男1: 女1/時間目安10分


【題名】
秋のような、冬のような

※こちらは姉弟版です。


【 登場人物 】


(以下をコピーしてお使い下さい)

『秋のような、冬のような』(姉弟版)
作者:なる
https://nalnovelscript.amebaownd.com/posts/8444094
姉:
弟:



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001 姉:うわぁ、外も寒くなったなぁ。もう少しなにか羽織って来ればよかった……それにしても、ここからの景色はいつ来ても変わらないなぁ。

002 弟:(小声)うわぁ、さむっ。……ふふ、こんなところでなにしてるの?

003 姉:え?……あぁ。ふふ、寝てると思ってた。ちょっと寝れなくてね、少し風に当たろうと思って。

004 弟:そんな事だろうと思った。……ほら、そんな薄着じゃ寒いでしょ?この毛布使って?

005 姉:用意がいいなぁ、あはは。私は大丈夫だから、使って。

006 弟:まあ俺だからね!俺は大丈夫だから、ほーら、はい。

007 姉:はぁ……さっき、寒いって言ったの聞こえた。ほら、毛布使って。風邪ひくよ?

008 弟:あ!そうだ!じゃあ、この毛布は姉さんが使って。で、俺をその毛布の中に入れて?

009 姉:え?……こ、こう?

010 弟:そう!これなら俺も姉さんもお互いの体温で暖かいでしょ?

011 姉:ん?……まぁ確かに……それにしても近い……。

012 弟:えー?いいじゃん!暖かいんだし、姉弟ならこのくらい普通でしょ?

013 姉:あんたの言う普通は普通じゃないよ?

014 弟:俺にとっては普通だからいいんですー。……それにしても、ここからの景色は相変わらず綺麗だなぁ……。

015 姉:ふふふ。

016 弟:何笑ってるの?

017 姉:私と同じ事言ってるなぁって。

018 弟:この時間のここからの景色は、俺と姉さんしか知らない秘密、だからね。久しぶりに来たし同じ事言っても仕方ないじゃん。むー。

019 姉:はいはい、ムスッとしない。ねぇ、あそこのさ、お菓子屋さん。覚えてる?

020 弟:うん、姉さんの大好きなクッキー売ってるお店でしょ?

021 姉:そうそう、あそこね、この前行ったんだけど……。

022 弟:え!?俺を置いて行ったの?!酷くない!?ねぇ!

023 姉:はいはい、怒らない怒らない。今度連れてってあげるから。

024 弟:絶対だからね!

025 姉:はいはい。でね、あそこのお店の奥さん引退してて、今息子さんに変わってたよ

026 弟:え、息子さんってあの赤ちゃんだった?

027 姉:そうそう、いやぁ、かっこよくなってたよ。

028 弟:ふーん、そう。

029 姉:なに不貞腐れてるの?

030 弟:別に〜?(小声)ニヤニヤしちゃって。

031 姉:そう?……あぁ、そうだ。あとね、あそこの夜景が綺麗な教会。

032 弟:前に父様と母様に内緒で行ったところ?

033 姉:そうそう、そのあとバレてこっぴどく怒られたあの場所。

034 弟:ふふ、懐かしいね。

035 姉:だね……あそこのピンクの花の木、無くなっちゃったんだよ。

036 弟:え?……そうなの?好きだったのに……。

037 姉:残念よね……毎年あそこの下でピクニックしてたもんね。楽しかったなぁ。

038 弟:あれは楽しかった!……それにしても、姉さんは俺の知らないこの街の、その後をたくさん知ってるんだね。

039 姉:……どうかした?

040 弟:ふふ、何もないよ。

041 姉:さっきから様子が変だけど……。

042 弟:そんな事ないよ!ねぇ、姉さん。この星空はあの時からずっと……ずっと変わらないよね?

043 姉:え?う、うん。星空は、いつみても変わらず綺麗だよ

044 弟:ふふ、そうだね。……他には?他に変わったところはないの?

045 姉:いや……えーっと……あ、そうだ。あんた、そろそろ学校始まるんでしょ?この休み明けからだったっけ?

046 弟:え?……あっ、うん。

047 姉:あそこも改築工事が始まって綺麗になってたよ。しっかし……変な時期から始まるよね。

048 弟:そう……だね。

049 姉:ん?どうした?

050 弟:いや、なんでもないよ。今度通う学校は寮になるし、ルームメイトとか楽しみなことは色々あるなって。

051 姉:そっか、忘れてたけどあんたも寮にはいるんだったね。

052 弟:そうだよー?だからこうやって寂しーくテラスで黄昏てる姉さんを構ってあげられなくなっちゃう……寂しい?

053 姉:別に……いつも、あんたが勝手に来るだけでしょー?

054 弟:またそういうこと言うんだから。……姉さんのバカ。

055 姉:んー?

056 弟:ちょ、ちょっと。そんな抱きしめてきてどうしたの?寒い?

057 姉:んー……うん。寒い。心も体も寒くて仕方がない。

058 弟:寒いならそろそろ部屋に戻った方がいいんじゃ……?

059 姉:んー、まだ。もう少しこの景色を見ていたい。

060 弟:姉さんがいうなら付き合うけど……あ!みて!あれ、木に電気が灯ってる!……なんかイルミネーションみたいだね。

061 姉:でもまだ葉も落ちきってないし……秋なのか冬なのかよく分からないね。

062 弟:寒いけど……街はまだなんとなく黄色?赤?んー、オレンジ?だったりするから、まだ秋!

063 姉:ふふ、何その自論。

064 弟:いいじゃん!……冬が来るのはもう少し後で。

065 姉:そうね……このままずっと冬が来なければいいのに。

066 弟:クリスマス来なくなっちゃうから、ずっと来ないのは嫌かな。

067 姉:確かに、あんたクリスマス大好きだもんね。……今年のプレゼントは何が欲しい?

068 弟:んー……今思いつかないから、また思いついたらでもいい?

069 姉:うん、思いついたらいつもみたいにこっそり教えてね。

070 弟:ふふ、わかった。

071 姉:……ねぇ。

072 弟:ん?なに?

073 姉:これからも……この景色はふたりの秘密、だからね。


(終)

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